モーター(エンジン)について

 モーター(エンジン)は排気量が約400CCで、2サイクル。自動車のようにセルモーターはなく、選手がロープを使ってエンジンをじかに回し始動する。
 自動車のエンジンと同じように、外気の温度によりエンジンのパワーが違ってくる。
 ボートはこのエンジンのパワーを活かして走るのだが、その重要な役割を果たすのがプロペラである。
 プロペラは選手の持ち物で、選手がエンジンの性能、自分の走法によってプロペラのひねり具合などを調整している。
 ここでネジを想像してほしい。ネジのひねり具合をピッチと呼んでいるが、ピッチが強いとネジの進むスピードは速いが回すのに力が要るが、逆にピッチが弱いと力はいらないが進むスピードが遅くなる。プロペラも一緒で、どちらが自分の乗っているエンジンにあっているか、また、自分の走り方にあっているかを考え調整を行っている。

 古い資料を見ると、モーターはケーニッヒ、エビンルードとか種類がいくつかあったようだが、現在はヤマトモーターのみ。
 なぜ、"ヤマハ"とか"トーハツ"とかが作っていないのか?(うわさでは、韓国のモーターはトーハツ製とかいっているが見たことがないので真偽は定かでない。)
 レース場は全国で24ヶ所。1競走場が60〜70機くらいを所持しているようだが、全体にすると1ヶ所で70としても全体では1,600機あまり。車のようにかっこいい、性能がいいといって爆発的に売れるものではなく、年間の消費量は決まっている。だから、いくつかのメーカーが競争していい物を作っても儲けがないことになる。だから、当初から作っているヤマトだけが作っているのではないだろうか?
ちなみに、韓国で使われているモーターはトーハツ製と聞いている。

現在使われているモーターは「ヤマト300型」とよばれているが、この中にも標準型(302型)、消音型(301型)、電波障害型(304型)の3種類がある。301型は桐生、戸田、平和島、多摩川、蒲郡、徳山、福岡の7場、304型は唐津のみ、その他の16場は302型ということになる。

基本的にはどのモーターも同じだが、消音型はロワーと呼ばれている水の中につかる部分のなかにマフラーが入っているのだが、ここのつくりが違っている。電波障害型はまるっきり一緒で、電波障害を起こさないように点火プラグにつながれているハイテンションコードに抵抗が入っている。


モーター諸元
 排気量          396.9 CC
 ボア×ストローク    66×58 mm
 最大出力         23.5kw(32PS)
 質量            41.5Kg
 マグネト          トランジスタ式

どのようにしてモーターの性能を上げるか
 モーターの調子が悪いとき選手はどのようにして調子を上げるのだろうか?いろんな本を読むとこういうことらしい。
 いかに良好な爆発を得るか、爆発して得られたエネルギーを回転に変えるか⇒抵抗を少な
 くする。・・・・・等を考える。つまり、
  a. ピストンリングを変える。(ピストンリングが新しいと張力も強くシリンダー壁と摩擦を起こ
    す。しかしあまり古いとスカスカになりガスが逃げてしまう。ほどよいあたりのリングに変
    える。)
  b.モーター本体の組み立てを変え(バラして、再度組みなおす)、滑らかにピストンが動くよ
   うにする。
  c.ギヤケース(この中で90度回転の向きを変えている)の中のギヤのあたりを変える。
  d.点火位置を変える。(最も爆発圧力を得られそうな点火タイミングに変える)
  e.ピストンにこびりついたかすをとる。
  f.リードバルブ(ガソリンと空気をミックスしてシリンダーに送る境目のところにある)の隙間等
   を調節する。
  g.フロート(ガソリンは重力利用してガソリンタンクから送られているが、その調整を行うとこ
   ろ)の油面の高さを調節
等々モーターの調子によっていろいろと調整を行っている。

ピストンリングについて
 競技情報で「リング交換」とか聞くが、リング(ピストンリング)とはどんな働きをしているのだろうか?
 ピストンリングには次のような機能(役割)がある。
(1) ガスシール機能
 ピストンリングとシリンダ壁との間の機密を保ち、ガス漏れを最小限に抑える。
 この機能は、主として圧力リングに化せられた役割であり、あらゆる運転条件において、圧縮ガス・燃焼ガスの漏れを最小限におさえて熱効率を上げる。また、燃焼ガスの吹き抜けによって生ずるスカッフィングや、潤滑油の劣化などの不具合を防止ずる。

(2) 熱伝達機能
 燃焼ガスによるピストンの光熱をシリンダへ伝達し、ピストンの冷却を行う。
 ピストンの頂部が受けた熱量の30〜40%がピストンリングを介してシリンダに放熱される。

(3) ベアリング機能
 シリンダ内でピストンの首振りなどの変則運動が生じないようにピストンを保持し、ピストンが直接シリンダ壁に触れることを防止する。
 ピストンリングのベアリング作用が低下した場合には、ピストンとシリンダ壁との接触によるイオンが発生する場合がある。




昔のモーターいろいろ
 
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